真性粘菌変形体は、奇妙でスティッキーな原始的な生き物であるが、一 見、知的な活動もすることで知られている。中垣俊之氏(北大(創成科 学研究機構))らは、粘菌に最短経路問題を解かせるという、不思議な 実験をされ、その面白さの一端を垣間見させてくれた。今回、我々は、 手老篤史(北大(同研究機構))・小林亮(広大(理))の両氏によっ て構築された、この現象に対するモデル方程式(Physarum Solver)を、数学的に厳密に解析することで、このシステムが、一般の 平面グラフにおける最短経路問題を厳密に解くことが出来ることを証明 した。その理論の概要を解説したいと思う。(本研究は、大西 勇氏 (広大(理))との共同研究となっています。)
構成的数学とはどのような数学かを、その歴史と中心 的な アプローチである、直観主義数学、構成的計算可能数学、Bishopの 構成的数学を比較することを通して、解説する。また、最近構成的 数学分野において盛んに研究が進められている、位相の取り扱いと 構成的逆数学について概説する。
The purpose of `constructive reverse mathematics' is to classify mathematical theorems in terms of logical axioms and set existence axioms, on the base of intuitionistic logic. As an example of such an analysis we describe the search for a logical axiom that is equivalent to the uniform continuity theorem: `every pointwise continuous function with compact domain is uniformly continuous.' This theorem is true in classical mathematics and in intuitionistic mathematics, but false in constructive recursive mathematics. Some attention will be directed to the difference between intuitionistic and classical logic.
Simulation has been used to assist problem solving in many fields, such as business process reengineering, factory operations, inventory, chemical processes, biological processes, etc. Simulation is often used to final better or best parameters of the models derived from the problem domain.
This presentation presents one of the research topics currently undertaken at Intelligent Business Systems Laboratory at Informatics Department, Sepuluh Nopember Institute of Technology, Surabaya, Indonesia, which relates to traffic engineering. Specifically it aims to find the optimal red and green time setting of a traffic light in a road junction. The read and green time setting of a traffic light determines the effectivenenss of that traffic light in a road junction. Simulation method is used to determine the optimal time setting due to the randomness of the traffic density. Real data obtained from the observation at the junction being investigated will be used to conduct the experiment.
Further research will be aimed at the optimization of such time setting of several traffic lights in an area. By having optimal time setting, traffic lights will not only avoid accidents at the junctions, but also to optimize the number of vehicles travelling through the road junctions in the area.
アブストラクト:表面張力の空間不均一によって引き起こされる対流を マランゴニ対流という.容器に薄く液体をいれて下から均一に温めると マランゴニ対流を起こすことができ,上からみると六角形状のパターン となることが知られている.我々は液体の厚みが薄いことを利用して, 空間二次元でのモデル化を試みた.講演ではモデル方程式の導出の詳細 とシミュレーション結果を紹介する.
アブストラクト:3水準でm因子の2次模型を考える。2次模型とは:興味ある要因効果は、一般平均、1次の 主効果、2次の主効果、1次×1次の2-因子交互作用(3水準において、2-因子交互作 用はこの他に、2次×2次と1次×2次がある)で、残りの要因効果は全てゼロ( 誤差と考える)の模型である。この模型の下で、因子の任意の置換に関して興味ある要因 効果の推定値の共分散行列が“不変”な計画を“釣合い型”という。実験者にとって、要 因効果の中で、主効果、特に低次の主効果は最も興味ある要因効果である。単純配列から 導かれる計画において、要因効果間にある“関係”を入れることにより、情報行列は高々 4次の行列と同形となる。この性質を用いて、実験総数が未知の要因効果数より小さい場 合(大きい場合は、全ての興味ある要因効果が推定可能な計画が存在する)について、1 次の主効果は推定可能で、残りの3種類の要因効果の中、少なくとも1種類の要因効果は互 いに交絡する(別名になる)計画の構築を行う。このような計画の構築と、ある行列方程 式が解を持つための条件には深い関係がある。ここでは、情報行列と同形な行列をグラム の行列に分解し、グラムの行列の“行”だけの関係で計画の構築を行う。結果は、1つの 例外を除いて、全て単純配列の特別な場合の指標をもつ配列から構成できることが判った 。
リーマン面の等角的埋め込みの研究について, 20 世紀初頭のリーマン面の接続の問題から現在の研究状況まで 講演者による結果も交えながら解説する。
GPS付携帯機器やセンサーネットワークなどの普及に伴い 近年のデータベースには位置情報が含まれることが多くなった. 今回のセミナーでは,位置情報を含むデータベースを 空間の文脈で分析し,空間情報に関するパターンを発掘 する問題に着目し,計算幾何学を応用した空間データマイニング アルゴリズムについていくつか解説する.
「Michalski の列車問題」(Michalski's train problem) とは,R. S. Michalski が1977 年の論文で提示した,
車両の形や貨物が◯や△といった模式図で描かれている列車が何本かあり,「 東行きの列車」と「西行きの列車」に分けられている.このとき,「東行きの 列車」と「西行きの列車」を区別するルールを見つけよという問題です.
Michalski は,各列車を記号列で表し,ルールを見つける方法を示しました. このような研究は,当時「帰納推論」と呼ばれ,人工知能研究の重要な分野で したが,現在の視点からみると,データマイニングの源流と考えることもでき ます.
今回のセミナーでは,私の研究人生の始まりに出会ったこの問題の解説と, これを発端にした研究人生最初の研究とその挫折を,教訓話(?) も交えながら お話ししたいと思います.
力学系のある種の不変集合にはConley指数とよばれる位相的不変 量が定まる。これは不変集合の不安定方向に着目した定量化で、力学系の粗視化を行 う際に便利な道具である。特に最近では数値検証方面への応用が注目されてい る。 そこで講演では、Conley指数理論の入門から簡単な数値検証への 応用例について 解説したい。