昆虫飛翔では非定常な流体運動と翼の動的な相互作用が重要であるため,定常状態を基本とした航空機の翼とは飛行特性が異なる. また制御を考えるときは重心運動の効果も考慮する必要がある.このような観点から,昆虫飛翔および関連する幾つかのモデルの 解析結果についてお話する。
We characterize all totally $\eta$-umbilic hypersurfaces and ruled real hypersurfaces in nonflat complex space forms and certain real hypersurfaces of type $({\rm A}_2)$ in complex projective spaces by using the property that some of their geodesics are mapped to circles of the same curvature in these ambient spaces.
標準的計量を持つ複素射影空間の測地流が完全積分可能であることは よく知られているが、それと「同じように積分可能な」測地流を持つ ケーラー多様体のクラスとして、Kaehler-Liouville 多様体というものを定義し、 その大域的構造を以前調べたことがある。その際、ケーラーという条件は 構造を決定するのに、ちょうど良い制約を与える役割を果たしていた。 しかしながら、先験的には、ケーラー条件と測地流の可積分性は何の関連性もない。 さらに、Kaehler-Liouville 多様体から出発しても、自然に(その変形として) ケーラーでない、可積分測地流を持つエルミート多様体がでてきてしまう。 そういうわけで、Kaehler-Liouville 多様体と同様の定義を持つが、ケーラーではない、 エルミート多様体のクラスを調べるのは意味があると思われる。 この講演ではそのようなエルミート多様体のクラス(Hermite-Liouville多様体と呼ぶ) のうち、特に複素射影空間上定義されたものの分類問題について得られた結果を話す。 また、h-射影同値なケーラー計量の理論他、関連する話題にも触れる予定である。
多変数関数論の研究を方向付けた源流のひとつは Julia の予想(1926)である。それは「正則関数族の Fatou 集合は正則領域であろう」というものであった。この予想を解決するために,Cartan-Thullen(1932)により正則凸性の概念が導入された。 複素多様体 X 上の正則関数族 F の Fatou 集合 D(F) は擬凸であり,したがって,X が Stein 多様体のとき D(F) は Stein であり,これらのことが当初の Julia の予想の解決であった。しかし,詳しく調べると,X が Stein 多様体のとき,Fatou 集合 D(F) は単に Stein であるという以上に,もっと強く,有理型 O(X)-凸であり,逆に,Stein 空間 X の開集合 D が有理型 O(X)-凸ならば X 上の正則関数族 F が存在して D = D(F) である。これらのことについて,多変数関数論の歴史も踏まえつつ,関連する問題も含めて紹介したい。